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おぎ訳 十訓抄〜事始め〜

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おぎ

今回は大好きな仏教説話集の中から「十訓抄」をご紹介

たま

十訓抄、名前は聞いたことがある

おぎ

鎌倉時代に成立したと言われる仏教説話集だね

十訓抄の「10種類の徳目(=訓示)」とは?

第一 心操振舞を定むべき事
   :善い行いをし、思慮分別を持つこと。

第二 傲慢を離るべき事
   :高慢な態度をいましめること。

第三 人倫を侮らざる事
   :人を侮らず、敬うこと。

第四 人上多言(じんじょうたげん)を誡むべき事
   :人のプライバシーにむやみに立ち入らないこと。

第五 朋友を選ぶべき事
   :周りの人を選ぶべきこと。

第六 忠心廉直を存ずべき事
   :忠実に、実直にあるべきこと

第七 思慮を専らにすべき事
   :よく物事を考えること

第八 諸事を堪忍すべき事
   :我慢をすること

第九 怨望を停むべき事
   :人をうらやましがらないこと

第十 才能芸業を庶幾(しょき)すべき事
   :芸や才能を磨くべきこと

配信では悩んだ末、2つのお話を紹介しました

おぎちゃん渾身の『現代語訳』はブログでお楽しみください!

おぎ

現代語訳、楽しかった・・・

おぎ訳につき、雰囲気を楽しむに留め、テストには書かないようくれぐれもご注意ください

第6巻 忠心廉直を存ずべき事 第18話

昔、元正天皇の御代のこと。
美濃国(岐阜県南部)に貧しくて身分の低い男がいた。
年老いた父がいたのだが、なんとこの父は朝から晩まで酒を飲んでばかり。
それでもこの男は山へ分け入り、草木を取って、それを売っては父を養っていた。
代金の代わりに、腰からぶら下げたひょうたんに酒をもらっていたのだ。

ある時、山に入って薪を取ろうとしたところ、
苔むした石ですべって、うつ伏せに転んでしまった。
すると不思議なことに酒の匂いがする。
まさかと思って周りを見渡してみたら、石のところから水が流れ出ているのを見つけた。
色が酒によく似ている。
試しになめてみると実においしい酒だった。
嬉しくてそれからは、毎日これを汲んで、父に飲ませた。

元正天皇がそれをお聞きになり、霊亀9年(717年?)にこの石のところへお出ましになった。
「このようなところに酒が湧き出たのは、
男が父親孝行をする様子を天の神様と地の神様が非常に感心なさって褒美として与えたのであろう」
と深く感動なさり、後にこの男を美濃守になさった。

その酒が湧き出るところを「養老の滝」と呼ぶようになり、この年の11月に年号を「養老」と改めた。

第7巻 思慮を専らにすべき事 第21話

道長様が法成寺を建築なさった時に、毎日現地視察に行っておられた。
このころ、道長様は白い犬を可愛がっておられて、この犬もいつも一緒だった。

ある日、道長様が法成寺の門を通ろうとなさったところ、
この犬が先に走り出て、けたたましく吠えた。
道長様は立ち止まってその様子をご覧になったのだが、よくわからなかったので進もうとした。

ところがこの犬が道長様の直衣の裾に噛みついて引きとどめる。
「何かあるのか?」と椅子に腰かけてすぐに安倍晴明を呼び出した。

事の次第を細かに伝えたところ、晴明はしばらく眠そうに何やら考えているようだ。
そして、
「道長様を呪詛し奉る者が呪物を道に埋めてその上を歩かせようとしたようだ。
 そんなことをしたら呪いがかかってしまう。
 道長様のご運が大変よろしく、この犬がそれを教えてくれたのです。
 犬というものは、ちょっと不思議な生き物ですから」
と言うではないか。

晴明の指し示すところを掘らせてみたところ、
2枚の土器を合わせたところに、黄色い紙をひねって作った紐で、十字に縛ったものが出てきた。
中を開けてみたところ、何も入っておらず、
辰砂(しんしゃ。水銀由来の赤い顔料)でただ1文字が書いてあった。
呪物である。

晴明が申すには
「この呪術は秘術中の秘術。晴明よりほかに知る人はいないはずだが、
 あの男なら知っているかもしれん。もしかしたら道摩法師の仕業かもしれない」
と懐紙を取り出して鳥の形に折って、呪文を唱えて空に投げたところ、
白鷺になって南の方に飛んで行った。

「この鳥が落ちたところがあの呪物の作られたところと心得よ」と晴明が言うので、
道長様の家来たちがその白鷺の後をついて走って行った。

すると、六条坊門・万里小路(ろくじょうのぼうもん・ばんりこうじ)の
河原院の古い跡の戸の中に落ちた。
中を探したところ、年老いた僧が一人いた。

すぐに逮捕して尋問をしたところ、この僧・道摩法師は
右大臣・藤原顕光様の命令で呪術を施したことを白状したため罪には問われず、
故郷の播磨へ戻されることとなった。

ただし、今後このような呪術を一切行わないという宣誓書を書かせた。

道長様がこのように難を逃れたことは、ご運が誠に強く、
思慮深く賢くいらっしゃったからに他ならない。

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